「ファントマ対ファントマ」 Fantômas vs. Fantômas (1914) : なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧

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Category: Entertainment
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「ファントマ対ファントマ」 Fantômas vs. Fantômas (1914) 監督:ルイ・フイヤード 原作:ピエール・スーヴェストル マルセル・アラン 脚本:ルイ・フイヤード 撮影:ジョルジュ・ゲラン 美術:ロベール=ジュール・ガルニエ 出演:ルネ・ナヴァール エドモン・ブレオン ジョルジュ・メルシオール ルネ・カール ローラン・モルラス ノーディエ ジョルジュ・モーリー フランス映画/61分/モノクロ・サイレント作品 依然としてファントマ(ルネ・ナヴァール)を捕らえることが出来ないパリ市警。民衆は不安と苛立ちを募らせ、やがて巷には陰謀論が囁かれるようになる。そもそもファントマなど存在しないのではないか。きっと警察の自作自演に違いない。もしかするとファントマの正体はジューヴ警部なのでは?このままでは司法の権威が失墜しかねないと憂慮した判事によって、ジューヴ警部(エドモン・ブレオン)は裁判所へと召喚され、尋問を担当する検察官によって逮捕されてしまう。ファントマとジューヴ警部が同一人物だという噂を、具体的に否定できるまで身柄を拘束するというのだ。 高利貸しモシェ氏(ルネ・ナヴァール)の住むアパートへ、税金の徴収のため銀行員が訪れる。そのままアパート上階のヤクザ者ポーレ(ローラン・モルラス)の部屋を訪問した銀行員は、扉の陰に隠れて待ち構えたポーレに殺害されてしまう。銀行員から金を奪うつもりだったポーレ。しかし、異変に気付いたモシェ氏がポーレの部屋へ忍び込み、現金が入った銀行員のバッグを奪い取ってしまう。慌てて後を追いかけるポーレとその愛人。そんな2人にモシェ氏は取引を持ち掛ける。なんと彼の正体はファントマ。自分の手下になって働けば大金を支払うというのだ。その後、モシェ氏がオーナーとして人に貸しているパリ市内のアパートで、業者が改修工事に着手したところ、壁から真っ赤な血が流れだして大騒動に。そこへ現れたアメリカ人の私立探偵トム・ボブ(ルネ・ナヴァール)に指示され、作業員たちが壁を取り壊したところ、中から銀行員の他殺体が発見される。 一方、かつてファントマの愛人だったベルタム卿夫人(ルネ・カール)は、ロシア貴族と再婚したことからアレクサンドラ皇女と名前を変えていた。そこへ現れたファントマは、「ファントマを捕らえた者に莫大な報奨金を出す」と告知するようアレクサンドラ皇女に命じ、さらにはその報奨金を集めるためのチャリティ仮面舞踏会を開くように指示する。このチャリティ仮面舞踏会の開催を知った新聞記者ファンドールは、きっとファントマが現れるに違いないと考え、ファントマそっくりの黒マスク姿で参加することに。また、同じようにファントマの出現を予測した警察官たちも仮装姿で舞踏会へ参加するのだが、その中のひとりがファントマ風の黒マスク姿だった。当日、仮面舞踏会の会場へ現れた3人のファントマたち。その中の本物が、自分に化けた警察官と揉みあいになり、相手を殺害して逃走する。その際、ファントマは右腕に大きな怪我を負った。 事件はすぐさま新聞で報道され、大いに世間の注目を集めた。これを知った警察署長は直ちに裁判所の留置所へ赴き、収監されているジューヴ警部の右腕を確認する。彼がファントマであれば右腕に傷を負っているはずだからだ。すると、睡眠薬を盛られて寝ていたジューヴェ警部は、右腕に大きな怪我を負っていた。しかし、それはたった今出来たばかりの傷だ。すぐに留置所内の捜査を行ったところ、職員の中に紛れたファントマの手下ニベット(ノーディエ)が見つかり、彼のポケットから血のついたナイフが発見される。ジューヴ警部に濡れ衣を着せようとしたのだ。こうして、晴れて無実が証明され釈放されたジューヴ警部。だが、ファントマを泳がせて油断させるため、警察はジューヴ警部の釈放をあえて公表しなかった。すると、ポーレの率いるならず者集団が裁判所を襲撃してジューヴ警部を誘拐してしまう。ファントマに約束された分け前が一向に支払われないため、業を煮やした彼らはファントマ=ジューヴ警部を裁判所から拉致して、大金の隠し場所を吐かせようと考えたのだ。 その頃、アレクサンドラ皇女の集めた報奨金を奪って逃げたファントマの足取りを追ったファンドールは、とある古い倉庫の地下室にファントマが大金を隠している現場を目撃する。ところが、倉庫を出て行ったファントマが外から鍵をかけたため、ファンドールは中に閉じ込められて出られなくなった。そこへなだれ込んできたのが、ジューヴ警部を誘拐したポーレ一味。彼らはジューヴ警部こそがファントマだと信じており、金の在処を教えないと殺すぞ!と迫る。樽の中に身を隠しながらその様子を見て、ある秘策を思いつくファンドール。一方、最寄りの警察署にアメリカ人私立探偵トム・ボブが現れ、とっておきの情報があると垂れ込む。この近くの倉庫に、ファントマとその手下たちが隠れているというのだ。実はこのトム・ボブもファントマの仮の姿。ジューヴ警部の無実が公式に証明されたことを知らないファントマは、自分の手下どもとジューヴ警部が一緒にいる現場を警察に発見させ、目障りな宿敵を自分の身代わりにしてしまおうと画策していたのだ…!? さながら怪人マブゼ博士的な犯罪王の様相を呈してきたファントマ。そもそも、マブゼ博士の元ネタのひとつがファントマとされるので、まあ、似てしまうのも当然と言えば当然であろう。前作に引き続いて、今回のプロットもかなり複雑に入り組んでおり、なおかつ明らかに説明不足な点も多々あるため、にわかに呑み込みづらい展開は少なくない。都合が良すぎるように感じる場面も多々あり。まあ、もしかすると観客が原作小説シリーズを読んでいることが大前提だったのかもしれないのだけれど。とはいえ、今回は交通整理がちゃんとしていることもあってストーリー的な破綻はほぼなし。なるほど!「ファントマ対ファントマ」ってそういうことか!とか、そうか!あれはこれの遠回しな伏線だったのね!などといったアハ体験的な楽しみも散りばめられており、トータルの印象としてはわりと良く出来た脚本だと思う。ルイ・フイヤードの演出も軽妙でスピーディ。前作よりは随分と面白くなった。 惜しむらくは、ヒロイン的な存在がベルタム卿夫人(改めアレクサンドラ皇女)役のルネ・カールだけということだろうか。さすがに、ゲジゲジ眉毛が真ん中でつながったコワモテのオバサンが、単独でお色気部門を担当するのは無理があるってもんですな。前作までは複数の女性たちがメインキャラとして登場したのだが、今回はベルタム卿夫人オンリー。一応、ファントマの手下になるヤクザ者ポーレの愛人として綺麗どころの女優が出てくるものの、トータルの出番が5分ほどしかない端役で、それゆえキャラクター名も演じる女優名もクレジットには出てこない。 評価(5点満点):★★★☆☆ 参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)※2枚組BDセット「Louis Feuillade's Fantomas」 モノクロ/スタンダードサイズ'1.33:1)/1080p/音声:2.0ch Dolby Digital/言語:フランス語(中間字幕)/字幕:英語/地域コード:A/時間:61分/発売元:Kino Lorber 特典:なし 神出鬼没にして変幻自在、なおかつ冷酷非情な頭脳派の怪盗ファントムと、その尻尾を掴んで捕らえんとする警察官ジューヴ警部&新聞記者ファンドールのイタチごっこを描く、連続活劇映画の古典『ファントマ』シリーズの第4弾である。前作ではファントマの活動を支える裏社会の犯罪網が明るみとなる一方、なお一層のこと残酷で凶悪な一面を隠さなくなったファントマ。本作ではさらに卑怯かつ狡猾な策略をそこかしこに張り巡らせ、ジューヴ警部とファンドールを手玉に取っていく。

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