就労4日目から暴行被害、金属パイプで頭部殴打、トイレも行けず…'農場'から逃げたミャンマー人男性 経営者の「現職町議」を告訴へ

就労4日目から暴行被害、金属パイプで頭部殴打、トイレも行けず…'農場'から逃げたミャンマー人男性 経営者の「現職町議」を告訴へ
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Category: Politics
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「朝になって職場に行ったら、何をされるかわからない」——。北海道京極町の農場で働いていたミャンマー国籍の男性・Aさん(30代)は9月7日、都内で開かれた記者会見でそう声を落とした。来日からわずか5日後に農場の経営者であるY氏から初めて暴行を受け、以降も殴られ蹴られる日々が続いたという。 会見では、経営者がAさんの胸ぐらをつかんで屋外へ引きずり出す様子を捉えた動画も公開された。手を上げたY氏は、京極町の現職町議会議員でもあるという。 就労4日目に初めての暴行 Aさんは今年5月18日、特定技能の在留資格で来日。翌19日から、京極町でブロッコリーやトマトなどを栽培する農場で働き始めた。代理人弁護士らによると、初めて暴行を受けたのは就労開始からわずか3日後の5月22日だったという。 「日本人は優しい、技術をきちんと教えてくれると信じて来た」とAさんは振り返る。 しかし、来日直後からY氏による暴行が始まった。Aさんのメモによると、6月から7月にかけて、Y氏により、水の入ったペットボトルを投げつけられ、金属製の棒のようなもので頭を殴られるなどの行為が繰り返された。 ブロッコリーの洗浄中に棒で頭部を殴られ、意識が半分もうろうとしたこともあったと語る。右足を蹴られたこともあったとしている。 「ミスをした時や、相手の言う日本語がわからない時に殴られることが多かった。日本で初めて出会った日本人が経営者で、その人から暴行を受けた。誰にどう相談すればいいのかわからず、頭がパニックだった」とAさんは明かした。 「寮に戻るな」でトイレに行けず… 会見で公開された動画は、Aさんが受けた仕打ちの一端を映していた。きっかけは、寮を巡るルールだったという。 Aさんの説明によれば、前日に同僚が寮でたばこを吸っているのをY氏が見つけ、休憩中に寮へ戻ることを禁じた。このとき、Aさんは「自分はたばこを吸わない」と訴えたが、認められなかった。 だが、トイレを使用するには寮に戻る必要があり、翌日、Aさんが我慢できずに屋外で用を足したところをY氏に見つかり、背後から平手打ちを受けたとしている。 怖くなったAさんが同僚らの集まる倉庫へ逃げ込むと、Y氏があとを追って入ってきた。そして胸ぐらをつかみ、屋外へと引きずり出す。この場面が、公開された動画に残されていた。 限界を感じたAさんは7月17日、退職届の提出を試みるも、その退職届は農場側により処分されたという。その後も朝礼で叱責されるなどトラブルが続き、「殺されるのではないか」と感じたAさんはパスポートと在留カードだけを持ち出し、バスと新幹線を乗り継いで東京へ逃れた。 暴行から解放された今も、夜中に何度も目を覚ますことがあるという。 過去にも技能実習生へ人権侵害 代理人弁護士らは、暴行について、Y氏と、その息子であるZ氏の2人を対象に刑事告訴を検討していると明らかにした。録音・録画などの証拠は、すでに倶知安(くっちゃん)警察署へ提供済みだとしている。 同農場での労働問題を取り扱う札幌地域労働組合によると、Y氏は過去にも外国人労働者をめぐる問題を起こしていたという。2022年3月、技能実習生の人権を著しく侵害したとして、技能実習計画の認定取消処分を受けたとされる。 組合によると、この処分からわずか47日後、同じ住所に新法人・X社が設立され、代表には親族が就任していた。 Aさんを支援するJAMゼネラルユニオンのミンスイ氏は、こうした手法について「彼らのやり方は、日本政府をなめているとしか言いようがない」と批判した。「厚生労働省や外務省、入管を含め、政府はこれでいいのかを考え直すべきだ。少し甘すぎる」と述べた。 ミンスイ氏に寄せられる外国人の労働問題は表面化しない相談も多く、団体には毎月50〜60件が寄せられ、手が回らないほどだという。ミンスイ氏は「外国人労働者の問題であると同時に、日本の制度の問題であり、経済の問題でもある」と訴えた。 Aさんはもともと農家に育ち、日本で農業を学んで家族に仕送りをしたいと考えていた。「(内戦が続く)ミャンマーが平和になったら、学んだ技術を故郷で生かしたい」そんな夢を抱いての来日だったと語る。 しかし今は、一連の出来事から農業のことを考えられないという。 「自分を含め、日本で働く労働者が同じ目に遭わないようにしてほしい。日本に憧れて来たのに、こういう国だったのかと悲しくなった」 Aさんはそう語り、今後については「ミャンマーではドライバーの仕事をしていた。できれば日本でもそうした仕事に就きたい」と述べた。

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